インプラントの術前審査

examination


レントゲン審査

お口の中をレントゲン撮影させて頂き、虫歯や歯周病、副鼻腔炎の有無、親知らずの有無等を審査していきます。インプラントの手術を行う前にこれらの問題を解決する必要があります。

水平埋伏智歯

CT撮影による審査

レントゲンは2次元の情報で歯周病や虫歯の発見に優れたものですが、3次元的な骨の形や神経・血管の走行を知る事はできません。

そこでCT撮影を行い、術前に骨量や神経や血管の走行を把握し術中のトラブルのないよう審査を行います。インプラント治療は理想的なかみ合わせ考慮する必要があり、理想的な位置や角度にインプラントを埋入するための骨はどうなっているのかを確認します。
充分な骨が無い場合は骨造成を行い、骨を作り出した上でインプラント治療を行っていきます。

歯周ポケット検査

インプラント治療を行う上で一番恐ろしいのはお口の中の歯周病です。インプラント治療を行う前に関らず審査診断をしっかりと行い、歯周病が予防できる環境を整えておく必要があります。

歯と歯茎の間には歯周ポケットと呼ばれる溝が存在します。通常健康な方はこの溝が1mm~3mm程度ですが、4mm以上あると歯周病のリスクが非常に高い状態となります。

詳しくはこちらの記事をご覧ください→必見。プロから見たレベルの高いインプラントの成功に必要な3要素

咬合検査

患者さまの歯を型取りさせて頂き、出来上がった模型を咬合器と呼ばれる噛み合わせを再現できる機械に設置し、お口の中を再現します。

そこれ、診断用ワックスアップと呼ばれる最終的なインプラントに被せる理想的な被せ物の形態を蝋を利用して再現し、丁寧に最終形態をシュミレーションします。

これにより、どのポジションにインプラントを埋入するかの計画を立てます。 

治療の流れ

flow


一般的にインプラント治療はインプラントを埋入し、顎の骨の中で骨と結合してから(オステオインテグレーション)型取りを行い上部の人口歯を装着します。

しかし実際には症例や術式によって治療の流れや治療期間が異なります。

Type 1 抜歯後半年以上経過した後にインプラントを埋め込む方法

過去に抜歯を行い、ブリッジをしてあったり入れ歯が装着されているケース

Type 2 抜歯と同時にインプラントを埋入する方法

抜歯する歯の周りに十分な骨が残っているケース

Type3 抜歯後に骨の治癒を待たず、歯茎が治癒した段階で埋入する方法

抜歯する歯の周りの骨が多少溶けてしまっており、早期に骨造成をしないと審美的なインプラントが行えないケース

Type4 抜歯後に完全に骨が治癒するのを待ってから埋入する方法

骨の自然治癒を待てば見た目や安全性に十分配慮したインプラント埋入が可能なケース

骨が少ない方へのインプラント治療

surgery


インプラント治療を行うためにはインプラントを埋入できるだけの骨のボリュームが必要です。骨のボリュームが不足しているとインプラントが定着しなかったり、見た目が悪く仕上がってしまったりする可能性がございます。

そのため、かつてはインプラント治療は骨のボリュームが十分でなければ行う事ができませんでした。しかし、現在の歯科医療は骨造成と呼ばれる骨を増やす手術が発達しており、骨のボリュームが少ない方もインプラント治療を行う事が可能となりました。

骨造成には様々な方法があり、その部位だったり、必要な骨量によって適した術式を選択させて頂きます。骨造成は非常に高度な技術が必要であり、繊細な治療であるため、患者さまのお口の中の状態や全身的な疾患をお持ちかどうか、ヘビースモーカーかどうかに左右される手術となります。そのため手術を行う事が不可能な場合もございます。

GBR (Guided Bone Regeneration)


インプラントを埋入したい部位に神経までの距離が近く、骨の高さが必要であったり、骨の幅が狭すぎてインプラントを埋入すると骨からはみ出てしまうような場合、骨のボリュームを増やす必要がございます。

このような場合、インプラントを埋める手術に先立って骨移植を行ったり、インプラントを埋入すると同時に骨移植を行います。この手術をGBRと呼びます。

患者さんのお口の中の他の部位から骨を採取し骨が不足している場所に設置します。もしくは骨補填剤と言われる人工骨を用いる事もございます。

設置した骨や人工骨はネジで止めたり、メンブレンと呼ばれる膜で固定します。

サイナスリフト・ソケットリフト


上の奥歯にインプラントを埋入する場合、副鼻腔と呼ばれる鼻に繋がる空洞が院プラントを埋入したい位置に近接しすぎているケースがございます。
同部にインプラントを埋入するためには副鼻腔の粘膜を持ち上げてそこに骨移植を行い、インプラントを埋め込む必要があり、サイナスリフトとソケットリフトと呼ばれる方法が存在します。

サイナスリフトとソケットリフトはどちらも副鼻腔下部に骨移植を行うテクニックとなりますが、どれくらいの骨造成が必要かによって術式が異なっており、サイナスリフトを選択するのかソケットリフトを選択するのかは審査を行った上で最適な術式を選択していきます。

歯肉の移植手術

surgery


歯肉の移植手術とは、抜歯した部位の歯茎が痩せてしまって見た目の問題を引き起こさないように歯肉の形やボリュームを調整することで美しく健康なお口を維持するための手術です。

インプラント周辺の歯肉はどうしても抜歯後に天然歯のそれと比べてボリュームが少なくなってしまい凹んでしまったり薄くなってしまったりしますが、インプラントを埋入するときに、健康な歯茎でインプラントの周囲をしっかりと囲んでおく必要があります。そのために歯肉の移植が必要なケースがあり、遊離歯肉移植術(FGG)、もしくは結合組織移植術(CTG)という手術が行われます。

遊離歯肉移植術(FGG)

遊離歯肉移植術(FGG)はインプラント周りに硬い歯茎が無く、口が動くとすぐに引っ張られてしまうような歯肉しかない場合に行われます。前歯の歯茎をイメージして頂くとわかりやすいと思いますが、通常天然歯の場合歯の周りの歯肉は硬い歯肉で(角化歯肉)歯磨きをしても硬い歯肉は動いたりする事はありません。その硬い歯肉から上に上がっていくとやわらかく稼働する歯肉へと移行し唇へとつながっていきます。抜歯後はこの硬く動かない歯肉が特に下の奥歯では無くなってしまう事が多く、ここに硬い歯肉を移植により獲得する手術がFGGと呼ばれます。角化歯肉が無い歯は非常に清掃性が悪いと考えられており長期に渡って清掃がしっかりとできる事を目的にこの手術が必要なケースがございます。

結合組織移植術(CTG)

結合組織移植術は歯肉が周囲の歯肉より凹んでしまって審美面のトラブルとなりそうな場合や、歯肉が薄すぎるがために歯肉の退縮を将来的に引き起こす可能性が高いケースに行う手術です。遊離歯肉移植術が歯茎の表層の上皮組織と内部の結合組織を移植する方法ですが、結合組織移植術はその名の通り結合組織のみを移植します。移植片をボリュームを獲得したい部位の上皮と骨膜の間の部分に移植します。

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