カリエスフリーを目指す小児歯科・予防歯科


不安な子供

お子様は歯医者に来るのを怖がるのは当たり前

性格にも左右されますが、歯医者を受診する事に不安を感じてしまうお子さんは少なくありません。そのようなお子さんは治療に対して非協力的な事が多く、治療が難しくなってしまい、かえって痛い思いをしてしまったり、頬粘膜を傷つけたりと危険を伴う事もございます。

しかし、大人になっても不安で歯医者に行きたくないと思うのですから、歯科医院にてユニットにも座る事ができないお子様が悪いのではなく、寧ろ当然の反応だという事を私達歯科医師は理解しております。

大変な思いをしてしまうとその後の治療が大変な事になる事も


怖がっているお子さんに対し、無理やり大人が押さえつけて治療を行ったりする事で、お子さんは歯医者に対し大きなトラウマを持つようになります。

最も大切な事はお子さんの不安な気持ちを少しでも取り除いた上で治療を行う事と、お子様自身が少しでも良いので虫歯は治療をしなければどんどん悪くなってしまうものだと言う事を理解する事です。

そのためには日頃からの教育が必要不可欠で、まずは歯科医院に来る事に慣れる事から始めなければなりません。そんな事をしていたら虫歯がドンドン酷くなってしまうじゃない?という質問を受ける事がございますが、詳細は後述致しますが、虫歯の治療を急いで行ったとしても最終的な予後にあまり影響を与えない事がわかっています。

ですから、しっかりと歯医者に安心して通院できるようになり、音の大きい様々な歯医者独特の器具にも慣れて頂く事から始めていく必要があります。予防のための知識をご両親に理解して頂いてから治療を行っていけば充分お子様の将来のお口を守る事が可能です。

この考え方の根拠となる論文等を知りたい方は後述する最新の小児の虫歯への考え方を是非読んでみてください。

最新の小児の虫歯への考え方


小児の虫歯治療をするしないはあまり重要じゃない?


小児の虫歯治療は今現在痛みがあるケースで痛みを取ると言う理由以外で虫歯治療を行う事が決して意味のある事ではないという流れになってきており、それを証明する信頼度の高い論文が発表されました。

2019年11月26日の the Journal of Dental Researchにて発表されたものです。

この雑誌は歯科分野の論文を取り扱う雑誌の中で最もインパクトファクター(信頼性を表す指標)が高く、厳しい審査を通った優秀な論文が掲載されています。

その内容をご紹介しますと、

同研究には、英国のダンディー大学、ニューカッスル大学、カーディフ大学、クイーン・メアリー大学、リーズ大学などが参加し、全英72件の歯科医院から抽出された視診により最低1個の乳臼歯う蝕に罹患していると診断された3歳から7歳の小児患者1,144名が対象となった。

それぞれの小児う蝕に対して、以下の3つの治療法のいずれかがランダムに選択され、最長で3年間の経過観察が行われた。

治療法① 
う蝕には触れない。新しいう蝕に罹患しないために、糖分の摂取量の抑制、フッ素配合歯磨剤を用いた1日2回の口腔清掃の推奨、フッ化物バーニッシュ、萌出してきた第一大臼歯へのフィッシャーシーラント(予防処置)を行う。

治療法② 
う蝕を除去して、CRなどで虫歯治療を行う。+ 予防処置を行う。

治療法③ 
MI(minimally invasive)アプローチとして、う蝕を金属冠ないし充填材料で密閉し、う蝕の進行を抑制する。 + 予防処置を行う。


結果
・    小児患者がう蝕による痛みを感じる
・    根尖病巣が確認される
・    QOL(子供の生活の質)が低下する
・    歯科恐怖症になる
という基準において、どれか一つの治療法が、他の治療法より優れていることはなかったとされました。

つまり、虫歯の治療をしっかりしようが応急的にすませようが手を全くつけないとしようが、予防処置をしっかり行っていれば子供の生活の質が落ちる事は無かったという結論に達しています。


最も大切な事は治療をする事ではなく予防をしっかりとする事ポイントは3つ


お子さんに仮に虫歯ができてしまったとしたら、以下の3つを徹底して下さい。

歯みがきの徹底

フッ素を使用した虫歯予防

食生活の見直し

を徹底して行い、治療ができる適切な時期になったら治療を行って歯の形態を元に戻していく事が大切です。虫歯ができても焦る事なく確実に予防に力を入れていけば将来良い状態へと導く事が可能です。

虫歯で歯が崩壊

虫歯の原因は歯みがきができていないだけ?


お子さんのお口の点検の際に虫歯が見つかると、歯磨きはしっかりしているのになんで虫歯ができるんですか?

このような質問を頂きます。

結論からお話しさせて頂くと、虫歯の原因は歯磨きの上手い下手や、回数だけではありませんので歯磨きをしっかりしていても虫歯が出来てしまうことがあります。
虫歯がどのようにして出来てしまうのかメカニズムを知ることが大切です。虫歯の原因は私達の口の中にいる細菌ですが、実は虫歯の原因となる細菌は2種類しか存在しません。
この2種類の細菌と他の数多くの細菌との違いは、虫歯の原因菌は私達の食べ残しや磨き残しを栄養源として強い酸性の毒素を放出する事です。

お口の中は本来アルカリ性を維持しているのですが、この酸性の毒素が放出されると、部分的に強い酸性となってしまいその酸性に耐えかねて歯はダメージを受けていきます。

食事をして歯磨きを適切に行う事で、時間の経過と共に酸性となったお口の中は次第にアルカリ性に戻っていきます。お口の中がアルカリ性に戻ると酸性の時に受けた歯のダメージを修復してきます。テレビのCMで再石灰化と言うワードを聞いた事のある方もいらっしゃるでしょう。

お口の中の酸性の時間が長く、歯の受けるダメージが大きいと、アルカリ性の時間に起こる歯の修復が間に合わず虫歯となってしまうのです。

食後にお口の中が酸性となり、歯磨き後、唾液の作用によりお口がアルカリ性に戻って行きますが、間食をしてしまうとまたすぐに酸性の状態に戻ってしまい、歯の修復が追い付かなくなってしまいます。

1日3回しっかり歯磨きをしていても、ジュースなどをお子さんに与えてしまうと、子供は500mlを一気に飲むことはできませんので、チョビチョビと1時間半かけて飲むと言った事態になりがちです。この場合、お口の中は ずっと強い酸性を維持してしまうのです。


朝食を食べ、酸性からアルカリ性に戻ろうとしてる途中で間食をしてしまい、またアルカリ性に戻る頃には昼食を食べ 再び酸性に。これだと中々、アルカリ性の時間が確保されず、歯の修復が追い付かなくなってしまうのです。

更に、お口の中がアルカリ性に戻るまでの時間には相当な個人差があるため、1日3回しっかり歯磨きをしていても虫歯のリスクの高いお子さんは酸性の時間が長くなってしまい、食生活によっては虫歯ができてしまいます。

虫歯ができやすい方は歯磨きだけでなく生活習慣から見直さなければなりません。

当院ではそれぞれのお子さんのリスクに合わせて、歯磨きの方法や生活習慣の見直しに関してお話しさせて頂いております。虫歯になりやすくお困りの方は一度ご相談下さい。


全てのお子さんに絶対に取り入れて頂きたいフッ素を使用した虫歯予防


フッ素って何?

フッ素は地球の地殻の中に多く含まれる元素で、フッ素化合物として様々な他の元素と結合し存在しています。土壌や岩等のミネラル成分であり、雨水が流れていく際にフッ素イオンが溶出し、河川や海にはフッ素イオンが存在します。

その水分を吸収している海産物だったり農産物にも当然フッ素が含まれており、私達は生活の中でフッ素を常に摂取しています。

高濃度フッ化ナトリウム(フッ素)

フッ素が虫歯を予防する仕組みは?

自然界に存在するフッ素より高濃度のフッ素が虫歯を予防する効果がある事が発見され、その後多くの実績を伴う論文が発表されています。

フッ素は萌出したての歯を強くする効果、虫歯菌の活動を抑制する効果の2つの効果によって虫歯を予防します。

歯の表面の成分であるハイドロキシアパタイトと結合し、フルオロアパタイトと化学的に変化する事で歯質が強化され虫歯になりにくくなります。

フッ素利用の方法

フッ素塗布・・・高濃度のフッ素を歯科医院で塗ってもらいます。年に4回程度が一般的ですが、虫歯のリスクが高いお子さんには1か月に1度塗布を行う事もあります。

フッ化物洗口・・・フッ素を溶かした水を30秒から1分の間口の中にいれ、ブクブクとうがいを行い、時間が来たら吐き出します。人数の多い集団の場で行う時に効率よく行う事ができるため、幼稚園や学校等で行っている所があります。
毎日行う方法と、1週間に1度行う方法があります。

歯磨き粉・・・現在の日本で販売されている歯磨き粉には低濃度ですがフッ化物が殆どの製品に含まれております。フッ素塗布やフッ化物洗口と併用すると効果的です。(論文→虫歯予防のための異なるフッ化物濃度の歯磨き粉

ライオン DENT チェックアップコドモ

定期的なフッ素塗布はいつから始めるか

フッ素は歯が生え始めた時期によく歯質に取り込まれるため、乳歯の萌出し始めた1歳から、永久歯が放出し終わる中学生に対して効果的だと考えられています。

日本の大学の研究では、中学まで定期的にフッ化物による虫歯予防を行ったお子さんは、行っていないお子さんと比較して60%の虫歯を予防したという研究があります。

また、近年わかってきた事として歯周病で歯の根の部分が露出してきた患者さんの、根の部分の虫歯にも効果的だと考えられるようになってきました。

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