心疾患をお持ちの方へ。歯周病治療と定期クリーニングで健康を守るポイント

心疾患と歯周病の意外な関係性

心疾患をお持ちの方にとって、日々の健康管理は非常に重要です。しかし、心臓の健康を守るためには、意外なことに「お口の中のケア」も見逃せないポイントです。

特に、歯周病は心疾患と深い関わりがあることが近年の研究で明らかになっており、定期的なクリーニングや適切な治療が心臓の健康維持に役立つ可能性が注目されています。

浜松市にお住まいで心疾患をお持ちの方の中には、「歯医者に行くのはちょっと不安」「クリーニングで何かリスクはないの?」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。当院では、歯周病治療に力を入れ、心疾患をお持ちの方でも安心してメンテナンスを受けられる環境を整えています。この記事では、心疾患と歯周病の関連性や、クリーニング時の注意点、そして当院が提供する最新の治療について詳しくお伝えします。

歯周病とは?心疾患との関連性を知る

歯周病は、歯を支える歯茎や骨が細菌感染によって炎症を起こし、進行すると歯を失う原因となる病気です。日本人の成人の約8割が何らかの歯周病の兆候を持っていると言われており、特に中高年の方に多い疾患です。

しかし、歯周病が単なるお口の中の問題にとどまらないことが、近年の研究でわかってきました。例えば、心筋梗塞や動脈硬化といった心疾患と歯周病の関連性を指摘する研究が数多く発表されています。2019年の日本歯周病学会会誌に掲載された論文「歯周病と循環器疾患の関連解明を目指す基礎的および臨床的解析」では、歯周病が持続的な細菌感染と炎症反応を引き起こし、これが循環器疾患のリスクを高める可能性があると述べています(日本歯周病学会会誌, 2019, 61(3), 107-113)。具体的には、歯周病菌が血流に乗って全身を巡り、血管壁に炎症を起こすことで動脈硬化を促進し、心筋梗塞や狭心症の引き金となる可能性が示唆されています。

さらに、広島大学の研究チームが2024年に発表した論文「Periodontal Treatment during the Blanking Period Improves the Outcome of Atrial Fibrillation Ablation」では、心房細動という不整脈を持つ患者において、歯周病の治療が心房細動の再発を61%抑制したという結果が報告されています(Journal of the American Heart Association, 2024)。この研究は、歯周炎症面積(PISA)と呼ばれる指標を用いて歯周病の重症度を評価し、治療介入が心疾患の予後改善に寄与する可能性を示しました。

歯周病が心疾患を悪化させる

歯周病が心疾患を悪化させるメカニズムとして、以下のポイントが挙げられます

1)菌血症による影響
歯周病が進行すると、歯茎の小さな傷から歯周病菌が血流に侵入し、菌血症を引き起こします。この状態が続くと、心臓の血管や弁に細菌が付着し、感染性心内膜炎という重篤な疾患を誘発するリスクがあります。特に、心臓弁膜症や先天性心疾患を持つ方は注意が必要です。

2)炎症性サイトカインの全身への影響
歯周病による慢性的な炎症は、炎症性サイトカイン(例:TNF-αやIL-6)を血流に放出します。これが血管壁を傷つけ、動脈硬化を進行させる一因となります。動脈硬化が進むと、心筋梗塞や脳卒中のリスクが上昇します。

3)血栓形成の促進
歯周病菌の一種であるポルフィロモナス・ジンジバリス(P. gingivalis)は、血小板の凝集を促し、血栓を作りやすくする性質があります。これが冠動脈を詰まらせ、心筋梗塞を引き起こす可能性が指摘されています。

このようなことから、歯周病が心疾患に悪影響を及ぼす可能性は無視できません。心疾患をお持ちの方が歯周病ケアを怠ると、全身の健康に影響を及ぼすリスクが高まります。

心疾患をお持ちの方がクリーニングや歯周病治療で注意すべきポイント

心疾患をお持ちの方が歯科医院でクリーニングや歯周病治療を受ける際には、以下の点に注意が必要です

  1. 治療前の医師との連携
    心疾患の種類や状態によっては、抗菌薬の予防投与が必要な場合があります。例えば、感染性心内膜炎のリスクが高い方は、歯科治療前に抗生物質を服用することで細菌感染を予防できます。これは、アメリカ心臓協会(AHA)のガイドラインでも推奨されています(Circulation, 2007)。当院では、主治医と連携し、安全に治療を受けられるようサポートします。
  2. 血圧や心拍数のモニタリング
    治療中のストレスや麻酔の使用が心臓に負担をかける可能性があるため、血圧や心拍数をモニタリングしながら治療を進めることが重要です。当院では、心疾患をお持ちの方に配慮し、必要に応じてモニタリングを行います。
  3. 出血リスクへの対応
    抗凝固薬(ワーファリンなど)を服用している方は、出血が止まりにくいことがあります。クリーニングやスケーリングで歯茎から出血する可能性があるため、薬の調整が必要な場合は主治医と相談します。
  4. 低侵襲な治療の選択
    心疾患の方には、身体への負担を最小限に抑えた治療が適しています。例えば、超音波スケーラーを用いた優しいクリーニングや、必要最小限の麻酔で対応することが可能です。

これらの注意点を踏まえ、当院では心疾患をお持ちの方でも安心してメンテナンスを受けられる体制を整えています。特に浜松市内で心疾患の方をサポートする歯科医院として、個々の状態に合わせたケアを提供しています。

定期的なクリーニングの重要性

歯周病は進行性の疾患であり、放置すると歯を失うだけでなく、全身疾患のリスクを高めます。定期的なクリーニングがこれを防ぐ鍵となります。

2011年の「Journal of Dental Health」に掲載されたレビュー論文「Current Evidence Regarding Association between Periodontal Disease and Nutrition」では、歯周病の進行を抑えるためには、口腔内の細菌コントロールが不可欠であると強調されています(J Dent Health, 61(1), 2-12)。定期的なクリーニングで歯垢や歯石を除去することで、炎症を抑え、歯周病の悪化を防ぐことが可能です。

また、前述の広島大学の研究(JAHA, 2024)では、歯周病治療が心房細動の再発リスクを低減したことから、定期的なメンテナンスが心疾患の管理にも寄与する可能性が示唆されています。心疾患をお持ちの方にとって、定期的なクリーニングは「予防医学」の一環として非常に重要です

当院は歯周病治療に特化した包括的ケアが可能です

当院は、歯周病治療に力を入れている歯科医院として、以下のような特徴を持っています:

  1. 一般的なクリーニングから最新治療まで対応
    軽度の歯周病にはスケーリングやルートプレーニングで対応し、定期的なメンテナンスで再発を防ぎます。一方、歯周病が進行し、歯槽骨が溶けてしまった場合には、歯周再生療法(例:エムドゲイン療法)を導入。エムドゲインは、歯周組織を再生させる薬剤を用いた治療で、失われた骨や歯根膜を回復させる効果が期待できます。これにより、抜歯を回避し、歯を長く保つことが可能です。
  2. 心疾患の方への配慮
    心疾患をお持ちの方には、治療前に主治医と連携し、リスクを最小限に抑えたプランを提案します。低侵襲な手法を用い、ストレスや負担を軽減しながらケアを行います。
  3. 最新技術と専門知識の活用
    当院では、歯周病治療の専門知識を持つスタッフが在籍し、最新の医療機器を導入しています。例えば、超音波スケーラーやレーザー治療を活用し、効率的かつ安全に歯垢・歯石を除去します。

浜松市内で歯周病治療をお考えの方にとって、当院は心疾患をお持ちの方でも安心して通える場所です。一般的なクリーニングから歯周再生療法まで、患者さんの状態に応じた幅広い選択肢を提供しています。

当院で安心のメンテナンスを

心疾患をお持ちの方にとって、歯周病の管理は心臓の健康を守るための重要なステップです。定期的なクリーニングで歯周病を予防・治療することで、全身の炎症リスクを減らし、心疾患の悪化を防ぐ可能性があります。

当院では、心疾患の方に特化したケアを提供し、安心してメンテナンスを受けていただける環境を整えています。例えば、治療前のカウンセリングでは、心疾患の状態や服用中の薬について詳しくお伺いし、安全性を最優先に考えたプランを作成します。

また、治療中も患者さんの体調に細心の注意を払い、無理のないペースで進めます。浜松市周辺で「心疾患があっても安心して通える歯科医院」をお探しの方は、ぜひ一度ご相談ください。

まとめ

歯周病と心疾患の関連性は、科学的エビデンスによって裏付けられています。特に、心筋梗塞や心房細動、感染性心内膜炎などのリスクを考慮すると、定期的なクリーニングや適切な治療は欠かせません。

当院では、歯周病治療に特化した包括的なケアを提供し、心疾患をお持ちの方でも安心して通える体制を整えています。浜松市で心疾患をお持ちの方、そしてそのご家族の皆さん。歯周病ケアを通じて、全身の健康を守る第一歩を踏み出しませんか?当院は、皆様の健康をサポートするパートナーとしてお待ちしています。お気軽にご連絡ください。

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