顎関節症
顎関節症とは口を開くと顎を動かす時に使っている筋肉が痛んだり、口が開かなかったりするという症状や、顎から音がなりどこかしらに痛みがある症状を顎関節症と呼びます。
前者は、顎を動かしている筋肉や関節周りの組織がダメージを受けてしまっている状態が考えられ、後者は前者の状態に関節円盤と言われる顎のクッションとなっている部分が前方に転位してしまう事が予測されます。
顎関節症の診断
顎を動かす筋肉の痛みを確認したり、口を今現在どの程度開けられるかと以前はどの程度開いたのかを確認します。必要であればレントゲン写真を撮り審査していきます。親知らずの周りの歯茎が腫れたりしても口が開かなくなったりすることがあるので他に考えられる病状がないかも確認し、最終的な診断を下します。
顎関節症の原因は非常に難しい
遥か昔、顎関節症はかみ合わせが原因だと考えられていた時代があり今でもインターネット上では多くの歯科医院でかみ合わせが悪いために顎関節症だったり様々な症状が出ると発信しているのを見かけますが、その考えは既に可能性が薄いと現代では考えられています。
顎関節症の原因は実はこれが原因だと言うものではなく、世界的には多因子原因論が認められつつあります。
多因子原因論は一つの原因で起こるような病気ではなく、小さいいくつかの影響が集合する事で初めて病状が出てくると言うものです。
主に考えられているのは、
①解剖学的要因・・・顎を動かす筋肉や、関節自体の構造的弱さ
②咬合要因・・・かみ合わせの不良
③外傷的要因・・・打撲、交通事故
④精神的要因・・・緊張・不安・ストレス
⑤行動要因・・・日頃の習癖(食いしばり癖、頬杖、スマホの長時間操作等)
食事(ガムや硬いもの)
睡眠(歯ぎしり、寝る姿勢等)
スポーツ(衝撃の強いスポーツ)
吹奏楽等の音楽
となります。以上の複数の小さな要素が集合し症状の発現となります。
顎関節症の治療
顎関節症の治療はこの治療をしたから絶対に症状が良くなると言った治療は無く、良くなる可能性がある治療はわかっております。
1番やってはいけない治療は、かみ合わせに原因があるという医学的根拠を無視した治療となります。万が一症状が良くならなかった時に元に戻すことができませんし、そもそも効果があるという根拠がありません。治ったという方もいるかもしれませんが、顎関節症という病気は何もしなくても大体の方が治癒する可能性のある病気ですから、かみ合わせの治療を行ったり、歯を削ってかみ合わせを変えるような治療をしなくても治癒する可能性が高いと言うのが今現在の顎関節症学会の見解となります。
当院で行う初期治療として最も多いのは、開口訓練と呼ばれる筋肉のストレッチです。このストレッチを1週間程度行い、改善が認められないようであれば、夜つけて寝るためのマウスピースを作成したり、口腔外科に紹介し治療を行っていく事になります。
ですが、マウスピースを使用すると何故顎関節症に効果があるのかは理由は実は正確にはわかっていません。改善する可能性があると言う事は事実としてあります。
NSデンタルオフィスの顎関節症の治療をご希望の方はご予約の上ご来院ください。
症状が改善しないケースは大学病院に紹介致します
当院で治療を行ってもあまり改善しないケースも中にはございます。そのようなケースは浜松医科大学付属病院の口腔外科、もしくは聖隷浜松病院の口腔外科をご紹介させて頂きます。また、症状の程度によっては当院での治療を行わずにご紹介させて頂くケースもございます。
歯科医師、医療法人社団ほほえみ理事長、NSデンタルオフィス院長。
1984年生まれ、静岡県富士市出身、静岡県立富士高校、国立東北大学歯学部を卒業後、東北大学歯学部付属病院第2総合診療室にて研修を行い、東北大学歯学部付属病院口腔診断科にて診療を行う。
2010年にNSデンタルオフィスを開業。2018年に医療法人社団ほほえみを立ち上げ、理事長に就任。
2021年には東北大学歯学部の39回生と40回生の信頼のできる歯科医師からなるスタディーグループTUGを立ち上げ代表に就任。
インプラント治療と精密根管治療に力を入れており、他院で断られた難易度の高いインプラント治療や、抜歯と診断された歯の治療を行い保存するような治療が得意。
歯科受診時の恐怖心を極力少なくできるように痛みが少なく、居心地の良い歯科医院を日々目指しています。