乳歯の生え変わりの時期と順番
お子さんの乳歯の生え変わりの時期と順番について解説します。
親としては何歳で歯が抜けるの?どこから抜けるのが正常なの?と歯の生え変わりに関して気になる事が多いでしょう。
乳歯の生え変わりの大まかな時期とその順番について解説すると共に、歯科医院を受診すべき状態がどのような状態かについて解説していこうと思います。
乳歯は全部で何本あるの?
乳歯は正常であれば上に10本、下に10本の計20本からなります。3歳前後で萌出が完了し、早いお子さんで5歳後半、遅いお子さんで7歳前後から生え変わりが始まります。
乳歯の抜ける順番
まずは前歯から
乳歯で最初に抜ける歯は下の前歯です。5歳~7歳の間と、抜ける時期にはかなり個人差があるため、周りのお子さんが早い時期に抜けたからと言っても焦る事はありません。その次に前から2番目の歯が抜けるのが最も多い順番になります。
下の1番前歯→下の2番目の前歯→上の1番前歯→上の2番目の前歯
が順番としては多いですが、必ずこの順番となるわけではありません。7歳になっても萌出しないようであれば歯科医院にて相談した方が良いでしょう。
また、この時期に乳歯の1番奥の歯の後ろの歯茎から第一大臼歯が萌出します。この歯は乳歯の後ろに萌出するので生え変わるわけではなく、乳歯の後ろの歯茎から次第に頭が出てきます。
第一大臼歯は最も奥から萌出してくるたえ歯ブラシが届きにくい事、さらには歯茎が完全に萌出するまでは被さっていたりする事から強い歯肉炎を引き起こす事があり、これを萌出性歯肉炎と呼びます。歯磨きを痛がったり、食事の際に痛みをお子さんが訴えるようなら歯科医院を受診し診察してもらいましょう。
続いて奥の乳歯
8歳から11歳の間に前から3番目の乳歯から5番目の乳歯が抜けていきます。順番に関してはかなりの個人差があり、前から順番に抜ける場合もあれば、3本のうち真ん中の歯から抜けるケースもあり、時期もお子さんによって様々です。ですから、あまり生え変わりに関して神経質になる必要はなく、12歳になっても乳歯が残っているようなら歯科医院にて相談をしてみましょう。
最後に12歳臼歯(第2大臼歯)
乳歯が全て抜け、12歳になると第一大臼歯の更に後ろから12歳臼歯と呼ばれる歯が萌出します。歯磨きは届きにくい場所から萌出するため非常に虫歯になりやすい歯となるため、お子さんの歯磨きがしっかりできているかどうか歯科医院にて確認してもらい、歯磨き指導をしてもらう事をお勧め致します。
お子さんの生え変わりに関してよくある心配事
・乳歯が抜ける前に永久歯が生えてきたけど大丈夫?
下の前歯でよく見られる現象で、永久歯が萌出していても乳歯が残存する場合がございます。すぐに歯科医院で診察を受ける必要はありませんが、1、2か月経過しても乳歯が揺れてこないようであれば歯医者にて相談をしましょう。
・生え変わりの時期を過ぎても乳歯が抜けないのは何故?
乳歯の下に永久歯が無い(先天性欠如)場合や、本来下から萌出してくるべき大人の歯が正常な位置にない場合、過剰歯があり交換の邪魔をしている可能性があります。適切な時期を過ぎても乳歯が抜けない場合は歯科医院を受診しましょう。
・乳歯が抜けたのに永久歯が萌出してこない
これも後続の永久歯に何らかの問題がある可能性がございます。もしくは歯茎が硬く大人の歯が萌出できないため歯茎を開創する(切開する)必要があるケースもございます。乳歯が抜けてから3か月程度経過しても永久歯が萌出してこない場合は歯科医院を受診しましょう。
歯科医師、医療法人社団ほほえみ理事長、NSデンタルオフィス院長。
1984年生まれ、静岡県富士市出身、静岡県立富士高校、国立東北大学歯学部を卒業後、東北大学歯学部付属病院第2総合診療室にて研修を行い、東北大学歯学部付属病院口腔診断科にて診療を行う。
2010年にNSデンタルオフィスを開業。2018年に医療法人社団ほほえみを立ち上げ、理事長に就任。
2021年には東北大学歯学部の39回生と40回生の信頼のできる歯科医師からなるスタディーグループTUGを立ち上げ代表に就任。
インプラント治療と精密根管治療に力を入れており、他院で断られた難易度の高いインプラント治療や、抜歯と診断された歯の治療を行い保存するような治療が得意。
歯科受診時の恐怖心を極力少なくできるように痛みが少なく、居心地の良い歯科医院を日々目指しています。